ロータリーバーナー
 
今回、中国の曼文(MANWEN)バーナーとして例示された型式はMWY-1156であるが、これはロータリーバーナーである。工業用バーナーの世界では、ロータリーバーナーはまだ多く使用されているが、一般家庭用の石油ファンヒーターの世界では、ほぼ絶滅しているのが現状である。ここではロータリーバーナーの雄であった三洋電機CFH-301Bの分解清掃を取り上げる。
 

 
MANWENバーナー MWY-1156 の動作原理
冒頭に「採用高速離心霧化」と書いてある通り、MANWENバーナーMWY-1156はロータリーバーナー
 

 
三洋電機製 CFH-301B(写真は1981年製)
木目調の塗装が主流の年代であった
フロントパネルを外したところ
左がバーナー部分、右が基板とタンク
 
 
燃焼室のカバーを取り外したところ
左下は耐震自動消火装置
バーナー部を分解して天地を逆さにしたところ
ローター部分とモーターが見える(※1
 
バーナー火炎発生部分
イグナイター(①)とフレームロッドセンサー(②)
操作部、温度設定はスライダー
燃焼は弱と強の二段階しかない
 
タンク収納部
ファンヒーター天板をあけタンクを挿入
背面の排気送風用ファン
この年代の製品はフィルターがない
 
注意書
型式が「回転霧化式」とある
分解清掃後の火炎
青火のロータリーバーナーである
 
ロータリーバーナーとは
バーナー直下に回転する円盤状の気化器を搭載(※1)し、遠心力で気化させて燃焼させる方式。ポンプ噴霧式やブンゼン式(ダイニチのファンヒーターが採用)に比して、灯油をより均一な混合気にできるため臭いが少なく、また耐久性が高いとも言われている。ブンゼン式と同じく気化には電力を用いるが、ヒートパイプ()などで熱を誘導し効率を上げることができる。
 
ロータリーバーナーのメリット
  • ブンゼン式に比べると消費電力が低い。
  • 石油臭が少ない。
  • ポット式ほどでは無いが、不良灯油には比較的強い。(ブンゼン式よりも強い。)
 
ロータリーバーナーのデメリット
  • 着火まで時間を要する。
  • 運転音が大きい。
 
かつては三洋電機が代表的なメーカーで、5年補償を謳った「ロータリーガス化バーナー」として販売していた。しかし、三洋電機は2001年に石油暖房機から撤退した。これについては次章で解説する。
 

 
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