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この章では、なぜ日本の家庭用ファンヒーターの製品で、ロータリーバーナーが用いられなくなったかを解説する。それは三洋電機の石油ファンヒーター「CFH-S221F」型に起因していると言っても、過言ではないだろう。 |
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1984年に三洋電機が発売した石油ファンヒーター「CFH-S221F」型を使っていた45人が一酸化炭素中毒となり、うち4人が死亡した。原因は空気取入口が上に向いていたためで、そこにホコリがたまって不完全燃焼を起こしやすくなっていたとされる。事件が1985~1986年にかけて多発し、三洋電機はテレビCMや新聞広告などのマスメディアを用いて「三洋電機からのお詫びとお願い」と題した告知により当該製品の回収を進めた。なお、この時、制作された告知CMは、我が国初の「お詫びCM」とされ、以後の同様なケースにおけるフォーマットとなった。 |
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また1994~1998年にかけて、三洋電機が生産・発売した石油ファンヒーターによって、瞬間的に炎が噴き出るという事故もあった。症状は、燃料検出センサーが故障した状態で運転を続けた場合、灯油を使い切る直前に温風吹出し口から瞬間的に炎が出てすぐに運転を停止してしまうというもの。原因は、灯油を使い切る直前に灯油と一緒に空気が吸い込まれることで、燃焼状態が不安定になるために生ずる一時的なものである。 |
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これらの事故をきっかけに、三洋電機は2001年に開放式石油ファンヒーターの製造を終了し、撤退した。 |
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三洋電機はパナソニックに救済される形で完全子会社化し、パナソニックと事業が重複する洗濯機と冷蔵庫の製造に関してはハイアールグループへ売却された。2013年4月25日をもって三洋電機のブランドの使用も完全停止され、三洋電機は事実上、消滅した。 |
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