オマージュ(UFO)
 
YouTube 側の画像解析は自動化がやはり困難であり、視聴者からの通報によるコントロールが主力になる。また画像に関しては、イメージを強烈に伝達する為、殆どの場合は「陳腐化」してしまう。例えば、電話一つの描写においても、固定のダイヤル式電話、固定のプッシュ式の電話、公衆電話、携帯電話のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)、スマートフォンと変遷し、なかなか昔の映像のままに使うことの価値は見出せなくなる。ブラウン管モニターからパネルモニター(液晶やプラズマやEL等)への変遷も、典型的な一例だろう。

歴史的な映像価値があるものは例外として、多くはリメイクするしか価値を維持できなくなる。またSFの映画など、未来描写のものも、その制作時点において、それほど違和感が無くても、後の科学技術の発展に伴い、描かれた未来が見当違いのものであって使い道がない等の事態になる場合がある。とにかく、映像コンテンツは印象が強い分、使えなくなる蓋然性は高い。

だからこそ、ICT技術での著作権の判定技術を遮二無二進める必要性は少しは薄れる(放っておけば陳腐化する)。どちらかと言えば、既存映像コンテンツとの比較よりも、保安上での顔面識別等が優先されている。しかし一部のユーザーは著作権所有者が充分に満足する価値観で YouTube を利用している。そのため著作権に抵触するか否かは視聴者の観点によるところが大きく、それによる通報は相等な影響がある。

この「陳腐化回避のリメイク」と「著作権に関する通報」を考慮すると、映像コンテンツに関しては「オマージュ」の領域に持ち込むのが一番賢明だと思われる。歴史的価値があまりなければ、陳腐化したものをそのまま使っても、おそらく「著作権に抵触する」旨の指摘は、視聴者から受けないだろう。また「パロディー」にした場合は、内容によっては視聴者を敵にしてしまう場合がある。

以上のことを念頭に置き、以下に示す例を見ていただきたい。
 
 謎の円盤UFO(原題:UFO)
制作時の10年後の未来(1980年)での物語とし、その作品の中で活躍する組織 SHADO は人類の英知を結集させた対異星人秘密軍事組織(地球防衛秘密組織)であることから、その装備品は世の中のそれよりも更に10年間先取りをした(1990年代の装備)とのコンセプトで描かれている。
 

 
UFO : Opening Titles (英語版)
イギリスのAPフィルムズ(後の21世紀プロダクション)が製作したSF特撮ドラマである。1970年9月16日~1971年7月24日に放送された。イギリス本国では原題通り、「ユーフォー」と発音された。
 

 
謎の円盤UFO : Opening Titles (日本語版)
日本では、1970年10月3日~1971年3月27日まで日本テレビ系列局で放送され、タイトルは「謎の円盤UFO」で発音は「なぞのえんばん ユーエフオー」とされた。
 
 謎の軍隊 JSDF
 
謎の軍隊 JSDF
2008年2月22日にアップロードされた。当時の自衛隊の国産新兵器を、UFOのOPに合わせて紹介している。その作り方は音楽をそのまま採用しただけでなく、画像の構成の仕方では、明らかに「謎の円盤 UFO」のオマージュであると言える。
 

 
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