DSM エクリプス
 
1991年に登場した「ホンダXELVIS(ゼルビス)」は、誕生の早すぎたバイクと言えます。良いとこ取りを狙い、良いところを失ってるとして、発表当時の市場の評価は高くありませんでした。つまり不人気車種でした。

スーパースポーツモデルやネイキッドロードスポーツが流行の時期に、市街地走行、高速道路や郊外での長距離走行を想定し、静粛性、燃費の良さ、大容量タンク、多くの小物収納が可能なユーティリティーボックス、多彩な荷掛フックが多くの物の輸送を可能にする、長距離ロードスポーツバイクです。

しかしホンダ開発陣が狙ったこの矛盾を解決するバランスの追求は、車体が大きすぎて非力であるとか、曲がらないとか、中途半端であるとの悪評に見舞われます。現実問題としては、安全運転を第一とするライダーには、全てを兼ね備えたバイクだったと言えます。刺激を求めるライダーには物足りないバイクだったのも理解できますが、当時の多くの書評に偏りがあったと、今となっては言わざるを得ません。

エンジンは、水冷 4サイクル DOHC 90度V型二気筒 250cc (VTシリーズ)を搭載し、その耐久性によって、ゼルビスは不人気車で販売台数が少ないのにも関わらず生き残っており、ゼルビス自体のコンセプトが、四半世紀を超えて再評価されているのです。だからゼルビスは「誕生の早過ぎたバイク」となるのです。
 
HONDA VT系統の変遷
(20180902公開動画)
 
Table 1: ゼルビス 主要諸元
名称 ゼルビス
型式 MC25
全長×全幅×全高(m) 2.095×0.720×1.160
軸距(m) 1.430
最低地上高(m) 0.155
シート高(m) 0.770
車両重量 / 乾燥重量(kg) 172 / 156
乗車定員(人) 2
排気量 cc 49
燃費(km/L)50km / h定地走行テスト値 40.0
最小回転半径(m) 2.7
エンジン型式 MC15E
(水冷・4サイクル・DOHC・4バルブ・V型2気筒)
総排気量(cc) 249
内径×行程(mm) 60.0×44.1
圧縮比 11.0
最高出力(PS / rpm) 36 / 11,500
最大トルク(kgm / rpm) 2.6 / 8,500
キャブレター型式 VD 10
始動方式 セルフ式
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリ点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) 2.5
燃料タンク容量(L) 16
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.733
変速比 2速 2.000
変速比 3速 1.590
変速比 4速 1.333
変速比 5速 1.153
変速比 6速 1.035
減速比(1次 / 2次) 2.821 / 3.071
キャスター(度) / トレール(mm) 27°30′/ 113
タイヤサイズ 前 110/80-17 57S
タイヤサイズ 後 130/80-17 65S
ブレーキ形式 前 油圧式ディスク
ブレーキ形式 後 油圧式ディスク
懸架方式 前 テレスコピック式
懸架方式 後 スイングアーム式
フレーム形式 ダブルクレードル
メーカー希望小売価格
(離島を除く本州・四国・九州)
489,000円 (税抜き)
メーカー希望小売価格
(離島を除く北海道・沖縄)
498,000円 (税抜き)
 
走るゼルビス
(20130908に公開された動画)
 

 
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