政府でも普通に間違う事がある
当初、アルピナ株式会社としての活動はCSR(企業の社会的責任)を重視したコンサルティングを顧客企業に行っていました。しかし大きな転機が訪れました。2017年5月に日本政府は「クラウド・バイ・デフォルト原則」を閣議決定しました。クラウド・バイ・デフォルト原則とは、政府が取り扱う情報システムを構築する際の第一義的保存域にクラウドサービスを採用するとの、とてつもない常識外れの愚策です。2018年6月に具体的な内容が発表されました。

上手く活用できるクラウドサービスは、当時、アメリカ合衆国の企業しか存在せず、これは日本国の秘密情報を全てアメリカの民間企業に委ねる内容となってしまいます。決してそれを意図しなくても、結果はそうなります。これは事実上のデジタル敗戦を受け容れたに等しく、この時点で信頼すべき政府も大きな誤りを犯す前提に立つ必要性が生じました。
 
法人格では政府の間違いに抗いづらい
法人格を維持するためには政府の決定に抗わずに受容するしかありません。そうしなければ多くの罰則が科せられます。記憶に新しいところでは2023年3月成立し同年10月から施行された改正消費税法があるでしょう。導入されたインボイス制度の実質的な意味をどれだけの人々が理解していたでしょうか。またこの改正消費税法が誤りなのか否かは立場によって見解に差が出ます。良い社会を目指すことは市民一人一人の社会的責任(SR)でしょう。当時、インボイス制度の導入は、実質的な消費税増税になっており、それは日本社会に対して総体としての経済的なマイナスであったでしょうが、政府セクターとしては税収面としてマイナスではありませんでした。

CSR(企業の社会的責任)の前に、市民一人一人の社会的責任(SR)を考えなければ、過ちを犯す政府セクターの共犯になってしまいます。
 
CSRよりも市民一人一人の社会的責任(SR)を重視せねばならない
日本国内でCSR(企業の社会的責任)の概念は1970年代からその萌芽は見られます。まずは「企業による社会貢献活動・フィランソロピー・メセナ」が大企業で採用されるようになりました。しかし利益の一部を社会に還元する事と社会的責任を果たす事は同義では無い(環境汚染物質を排出しながらも植林を行うとか)ので、その点については着目が進み、「法令遵守(コンプライアンス)」の概念が多く取り込まれていきました。

しかし、そもそも論に立つと、「悪法もまた法なり」なので、法令遵守が最良の結論を導き出す方策とは言い切れません。法律自体も全てのシミュレーションを行って、成文化される訳でも無いので、法律とその運用において「仏作って魂入れず」になる場合もあります。
 
社会的責任(SR)の具体例
わかりづらいので具体例を示しましょう。地域のゴミステーションの管理について考えてみます。ゴミ収集に関しては行政の環境事業部門が担当している場合が多いでしょう。その運用面を加味して地域のゴミ出しのルールが策定されます。

そしてこれを守らない悪い人が悪いゴミの出し方をしたとします。それに対して積極的に行政当局が是正のための方策を行うでしょうか。生温い方策しかしてくれないでしょう。ではゴミの不法投棄があるとして警察に通報したとします。警察は厳しく取り締まりをしてくれるでしょうか。ゴミステーションが私有地内に設置されている場合、殆ど警察は対応してくれないでしょう。

その際に機動的に対応策を共に考え実行してくれるのはどの組織でしょうか。多くの場合、町内会などの住民自治組織がその対応をしています。実際の行政の環境事業部門はそれらの住民自治組織と強く連携しています。

つまりCSR(企業の社会的責任)と言う前に、SR(社会的責任)の議論をせねばならないのです。ゴミ出しのルールを守ってゴミ出しすることは地域社会の構成員として社会的責任です。それを守らない悪い人に対して、どの様に対処するかは社会的責任を守る個人の集合体である住民自治組織が発揮する是正圧力に掛かっています。(あまり言葉は良くありませんが「村の掟」の理解を求めてそれでも反抗がある場合にはそれなりの対応をする。)
 
改めてコンサルとは
コンサルティングなんて何のことやら、ってのが多くの方の感覚でしょう。しかし上記の通り、人間とは間違う存在です。その集合体で最も権威のある政府ですら間違う場合があります。資本主義社会は「権力分立制」を採用しています。これは権力が間違う可能性を考慮して非効率であっても権力を分立させ、抑制と均衡(Check&Balance)で権力の誤った行使をどうにか防ごうとするシステムです。片や、共産主義社会(社会主義社会)は権力集中制を採用しています。このシステムは社会を変革するのには大変、効率が良いのが特徴です。成田空港建設が2026年現在でもなかなか完了しませんが、共産主義の中国ではその様なことは起き得ません。でも「権力は間違わない」との前提が崩れれば「文化大革命」のような事態が起きるのです。

凡そ、個人でも組織でも、意志決定するのに当たり、複数の考え方から、様々な検討を行い、考え方を収斂させていきます。その意志決定に際しての会議に出席したり、決定権者と相談したりと、決定に際して必要とされる情報や指針を輔弼するのがコンサルタントの役目です。

組織の内部の人間だと組織内政治の圧力が常に掛かっていますから、率直な意見が出ていると考えてはいけません。コンサルタントの善し悪しですが、意志決定の誤りを是正するのがコンサルタントの使命であり能力です。そうなると目に見えるコンサルタントの姿は「言いづらいことを述べること」が職務の核心となります。コンサルを導入する経営者は非常に立派で「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の域にまで達しています。そのような経営者は多く居ませんが、確実に存在します。またそのような立派な経営者よりも、俗に「ブラック企業」と言われている企業経営者の方が「何かを犠牲にしながら」儲けている可能性があります。
 
コンサルタントの職務とは教育
コンサル導入において、教育対象を経営者自身にするのか、従業員教育を中心に行うのか、二種ありますが、多くは企業力を総合的に高めるための、コンサル導入が多いと言えます。ですからコンサル側は、経営者と行う戦略的方向性の策定と、従業員に指導する戦術的な実務手法が、要求されています。

「今の儲け」を追求するのではなく、「事業の継続性」を重視する従来の日本型の経営を志す、心のある経営者の下には、心ある優秀な人材が徐々に集まります。そのような企業は確実に成長できます。景気動向に左右されない状況を作るのが経営努力であり、不景気なので「人員整理をする」「賃下げをする」のは経営が無いことを示しています。逆な言い方をすれば、業績が好調なときに、従業員に椀飯振舞(おうばんふるまい)するのも経営が無いことを示しています。業績が好調なときに、次を考えるのが経営であり、科学的な思考が重要です。「経営とは科学的なもの」であり、宗教に頼る経営者は最悪です。

科学的なアプローチを重視し、奇妙な根拠を排除し、お客様に代わり言いづらいことを関係者にうまく伝える、これがアルピナコンサルタントの主たる任務です。
 
 
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