CSRの定義
 
CSRの「C」が企業を指し示しますが、それでは企業とは何なのでしょうか。企業とは最大利潤を追求する経済活動体であり、その上で継続性を加味しながら活動しています。そして「最大利潤」の解釈に関しては、様々な姿があります。
 
利潤を追求しないが企業と同様な組織であるものも社会には存在しています。公益法人やNPOやNGOがそれであり、「利潤追求をしない、企業と同様な組織」と言えます。これらは「非営利」が原則となっており、その組織自体の目的も「公益、つまり私益でない」ことが求められ、組織のための営利活動はないことになっています。しかし当然のことながらその組織の活動を維持するための構成員への給与支払いは認められています。公益性が強調されると、その組織は利益を出す体質が無くなり、行政からの補助金による組織維持が当然かの様になってしまう傾向があります。この部分の改革は、何度も試みられていますが、抜本的な成果を挙げることは非常に困難な様です。
「最大利潤」のみを目的とするならば、窃盗・強盗・海賊など、他者の所有権を不当に侵害するのが、手っ取り早く単純明快です。しかし社会はこのような行為に警察権を行使して抑止します。そして近代国家においてはその警察権の根拠として法律が整備されています。道義的な観点だけでなく、このように実効性の観点からも企業は法律を遵守しながら最大利潤を追求しなければならないことが課題となります。
今日の企業活動においては、企業の目的を完遂するだけでは不充分な状況となっています。まず企業活動の際に関わる全てのステークホルダー(利害関係者)からの要求に対して、適切な意志決定と行動をしなければなりません。またその企業活動の社会へ与える影響にも責任を持たなければなりません。これらのことが「CSR(企業の社会的責任)」と定義できます。
 

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